『児童生徒の「学びと進路」を保障する為の学校教育に関する緊急提言』

新型コロナウイルスで大きな影響を受けている学校教育と児童生徒を助けたいとの思いから、維新府議団は、教育長へ『児童生徒の「学びと進路」を保障する為の学校教育に関する緊急提言』を手渡し、意見交換を行いました。
以下、提言書の全文です。
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『児童生徒の「学びと進路」を保障する為の学校教育に関する緊急提言』

新型コロナウイルス感染拡大の影響による非常事態の中、府教育庁一丸となり、児童生徒の「生命と学び」を守る為、日夜ご尽力いただいておりますことに、心から感謝を申し上げます。

そのような中ではありますが、大阪の子どもたちの未来の為の施策として、以下、要望いたします。

なお、府の厳しい財政状況も踏まえつつ、将来世代に負担を強いることなく、実施いただきたい旨を申し添えます。

【要望事項】

① 今年度の公立高校入試においては、例年よりも出題範囲を大幅に削減すべきだと考える。受験生にとっても、中学校現場にとっても、できるだけ早く、このことを決定し、公表することにより、心理的にも、物理的にも負担が軽減される。したがって、大幅に出題範囲を減らした公立高校入試を実施することを、6月中に公表すること。さらには、これまでの公立高校入試に捉われない選抜方法も検討すること。また、WEBによる出願も可能とすること。これらを実施する際には、私立学校関係者の意見もお聞きし、連携した動きとなるよう努めること。

② 府立学校等における授業時間を,例えば1コマ40分または45分に短縮し、1日あたりの授業コマ数を増やす等の時間割編成の工夫や、学校行事をスリム化し、その準備にかかる時間においても、児童生徒にとって必要不可欠なものであるかを検討し、これまでの学校の価値観や当たり前に捉われることなく、様々な工夫やアイデアにより,学校現場のチャレンジや思いを尊重し、府教育庁はそれを最大限に認め、積極的に支援すること。また、市町村教育委員会においても、このような検討がなされるよう、助言等を行うこと。

③ 新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業により,学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回ったことのみをもって,学校教育法施行規則に反するものとはされないとする文部科学省の見解も踏まえ,児童生徒や教職員の負担軽減にも配慮し、可能な限り、ゆとりも確保した学校運営を行い、文科省の『学校・子ども応援サポーター人材バンク』も積極的に活用し、学習指導員やスクール・サポート・スタッフの確保に努めなるなど、学校スタッフの人的補強も行うこと。

④ 教員をめざす大学生にとっても、いまは実習先の確保等においても支障が出ていると聞くが、一方で、学校現場では、補習や児童生徒のケアにおいて、マンパワーを確保することに課題を抱えているとも聞く。そこで、両者を積極的にマッチングさせ、大学生等が学校教員のサポートを行った場合、それを教育実習の一部に充てることや、介護実習先の確保に努めるなどにより、双方にとって、メリットのある仕組みを構築し、学校現場で積極的に受け入れること。また、学校現場のマンパワー確保においては、退職された教員経験者等の方々に積極的にご協力いただけるような仕組みも府教育庁として構築すること。

⑤ オンライン授業にかかる環境整備への支援は、学校設置者の違いに関わらず、必要不可欠なものであることから、児童生徒・保護者の経済的負担に対する補助を行うこと。また、オンライン授業の実施や、校内授業におけるICT活用には、学校内のインターネット環境を強化する必要があると考える。その対応策としては、府立学校内にWi-Fiアンテナを設置する通信事業者等をプロポーザルで選定する等、コストが抑えられ、かつ、最短で実施可能な方策により、校内のネット通信環境を整備するなどの手法を検討すること。また、府立・私立ともに、オンライン配信等をする際に必要な機器の購入費に対する財政的支援を行うこと。

⑥ 新型コロナウイルスへの対応で、府教育庁だけでなく、府内の各市町村教育委員会事務局においても、負担が増えている中で、いまこそ、オール大阪で、府内の全児童生徒の学びの質の確保に向けて、府教育庁が府内市町村教委を支援するという重要な役割を務め、府内統一ドメインによるクラウドアカウントを全児童生徒と全教職員へ付与できる環境を整備にすること。ただし、市町村立学校に関しては、希望する市町村に対する選択制のシステム提供とすること。また、システムの管理・運用に関しては、市町村との連携・役割分担を行い、可能な限り、外部委託を採用することも検討すること。

⑦ 高校3年生にとって、夏期休暇や冬期休暇の短縮などにより、就職・進学等の希望進路の実現に向け、学校での授業等への出席が障壁となることがないよう、各校や在校生のそれぞれの事情に応じて、夏期休暇の授業時間数や時間割を柔軟に設定することや、職場見学やオープンキャンパス等へ参加することは欠席扱いとしない等、生徒の希望進路や家計状況などを十分に考慮し、最大限に生徒の不安にも配慮しつつ、進路支援を行うこと。

⑧ 学校現場における感染症予防の対策にかかる経費は、例えば、アルコール消毒液などの消耗品についても、前年度よりも大きく支出が増えていく。また、今後、熱中症を予防し、学習や運動がしやすい室温設定にする為、エアコンを稼働させることとなり、加えて、夏期休暇の短縮等により、その稼働時間も増えるため、光熱水費等の支出も増える。これらの経費支出について、府立学校及び私立学校への財政的支援を実施すること。

⑨ 感染予防と熱中症対策を同時に行うことは、難しい判断となるが、児童生徒の命を守るために、マスクの着用やフェイスガードの着用は必要な時に限定し、また、教室内の換気を意識しつつ、エアコンによる室温の最適化を積極的に図るなどの判断や柔軟な対応により、学校現場において、熱中症予防にしっかりと取り組めるような環境が必要だと考える。特に、幼稚園等や小学校低学年の児童においては、その対応がより一層、必要だと考える。その為には、柔軟な対応や判断が求められるが、学校現場においては、専門的知識や保護者への説明などが求められることを鑑みると、府教育庁が専門家会議等で意見を求め、その内容を踏まえたガイドラインを作成し、公表する等の方法により、学校現場が臨機応変に対応できる環境を整えること。

⑩ 新型コロナウイルスによる経済的影響により、家計が急減した世帯の児童生徒の「学びを保障」し、学業が継続できるよう、経済的支援を行うことは、極めて重要なことであり、国政府や育英会においても、緊急対応のメニューを用意しているが、まずは、この情報を必要とする全ての生徒児童とその保護者へ届け、さらには、大阪府としても、公立・私立の児童生徒を問わず、充実した支援メニューとなるよう、財政面での支援を行うこと。

⑪ 部活動に取り組んできた高校生のために、各団体が大会等の実施を望む場合、府教育庁として、全ての部活動に関する大会等の運営に対する財政的支援や感染予防の助言を求められた場合、可能な限り、求めに応じること。また、部活動をしてきた生徒の進路が、大会等がなくなることにより閉ざされることがないよう、府教育庁として、可能な限り、関係機関へ働きかけ、効果的な支援を行うこと。

大阪府議会議員 笹川 理 (ささがわ おさむ)

主に、「大阪府議会議員 笹川 理」の政務活動に関することを発信しています。

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