GIGAスクール構想の実現に必要なこと
『GIGAスクール構想実現に向けたオンラインセミナー』(Google for Education 主催)を視聴しました。
広島県の 平川 理恵 教育長のプレゼンテーションから、都道府県の教育長のリーダーシップと発信力、組織改革によって、いかに都道府県内の学校教育に変革を起こしていくのかについて、大事な方向性と必要なものが見えたと感じました。
平川さんは2018年4月に広島県教育長に就任し、全国比較で下位レベルだった広島県の学校ICT環境を、たった2年で、GIGAスクール構想の実現に対し、全国のトップランナーと評されるまでの環境に整備されています。
実は、私自身が大阪府において取り組んでいる、生徒1人にPC端末1台の学習環境の整備や、生徒一人一人への個別クラウドアカウント付与、クラウドアカウントの府内統一ドメインの推進、等については、広島県、特に、平川さんの発信や取組みを参考にさせていただいています。
また、高校入試の改革についても、これまで私自身が大阪府議会で取り組んできた方向性と同じ価値観を平川さんも発信されており、広島県では、令和5年度入学者選抜から、調査書(いわゆる内申点)の合否判定ボリュームが小さくなり、「自己表現」が導入されます。(学力検査:調査書:自己表現 = 6:2:2)
新しくなる入試制度により、広島県が15歳の生徒に付けさせたい力である「自己を認識し、自分の人生を選択し、表現することができる力」を中学校で育んでもらい、入試当日の「生徒の今」を評価することを図るのだそうです。
この考え方、実に素晴らしいと思います! 大阪でもこのような価値観を踏まえた入試制度の改革に、負けずに引き続き、チャレンジしたいと思っています!
また、広島県では、2019年4月に「個別最適な学び担当課」を、2020年4月に「学校教育情報化推進課」を新設置して、ソフトとハードの両面から、GIGAスクール構想の実現に向けた整備をはじめ、学校教育改革に取り組んでいるとのことです。大阪府においても、例えば、「GIGAスクール推進課」のような新しい課を設置し、大阪全体の学校ICT化やデジタル学習環境の整備を強力に推進する担当課を提案したいと思います。
GIGAスクール構想は、1人1台のPC端末を揃えることがゴールではありません。機器の整備は通過点であり、児童生徒たちにSociety5.0時代を生きていく力を身につけさせる為、主体的で対話的な深い学びを、学校教育において実現することが大事です。
この目標を実現するには、PC端末は文具としての当たり前のツールとなり、それを使っていかに深い学びを授業で作り上げるかが大切です。そして、それには「PC端末、ネットワーク(インターネット通信)、クラウド(パーソナルID)」の三位一体の整備が必要不可欠です。
実は、ここが大事なことで、児童生徒にクラウドを利用させないPC端末の整備は、手段が目的化した愚策と言わざるを得ないものなんです。そんなことを検討している市町村があるようなんですが、実に時代遅れ、ナンセンスです。しかも、その理由が、個人情報保護条例の規定を改正する為の業務負担が億劫で、子どもたちの利益や将来を犠牲にしているんであれば、もう情けない話です。
全自治体の首長と議員の皆さん、いま一度、1人1台のPC端末が整備された時にどのようなPC端末の活用方法で授業を進めようとしているのか、要は、クラウドを活用して学習がなされようとしているのか、確認していただければと思います。
いま、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が来ていると言われており、今後、学校に再び登校できなくなることも予想されます。そのような中であっても、行政や議会、教育委員会や学校関係者の大人が、「子どもの学びを止めない」という強い意識と行動が必要だと思っています。
大阪府内の全学校において、リモート学習を可能とする環境の整備を、一日でも早く実現できるよう、全力で取り組み、働きかけてまいります!
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